ボディ研究

まずノーマルボディとの比較をしてみましょう。

左がエリーナ、チェルシーボディ(と、便宜上表示します)
右がアベル、ノーマルボディ白肌です。
二体とも寝かせた状態で撮影しています。

微妙にエリーナのほうが大きいですね。
ノーマルボディより1cmほど背が高いです。
体の各部もエリーナのほうがやや太く、頭もかなり大きいです。
画像ではわかりにくいですが、首もエリーナのほうが長いです。
ただし、足のサイズはほぼ同じ。
ありがたいことに服や靴は共有できます。

そして一番目立つ違いは腰の部分。
ノーマルボディに比べてずいぶん丸くなっています。
そのせいで足をぴったり閉じることもできません。
人間らしいといえばらしいですが、ちょっと不自然なデザイン。
それは一体なぜでしょう?
と、言うわけで次の画像へGO!

 

答えは腰の部分が球体間接だから、でした。
そのためにエリーナは横に180度足を広げることができます。
さすが夢見るバレリーナ。
間接部分も自然で、全く違和感がないのが特徴です。

足の素材はノーマルボディのそれと似た質感です。
気持ち粘つく感じがしますが、積年劣化によるものかもしれません。

触るとわかるのですが、太腿と脛の部分に硬い骨格が埋め込まれています。
腿や脛の途中といった不自然な部分では曲げられないようになっています。
ただし関節の部分には骨格がないので曲げることができます。
また、膝も前後には曲がりますが、左右にゆがめることはできなくなっています。
公式サイトによれば、関節部分には真鍮板を埋め込んであるとのこと。
理屈はわかりますが、実際曲げ伸ばしをしてみるとちょっと感動します。

ちなみに膝関節の稼動範囲は、ノーマルボディと大差ありません。
正座ができるほどきちんと曲がってはくれないわけです。
まぁ、素材的に仕方ないですね。

画像上:関節稼動範囲図
画像下:関節接合部

 


続きましては腕部分。
こちらも球体関節を利用し、横に90度強上げることができます。
また、内部に骨格が埋め込まれており、肘関節以外では曲げられないようになっています。

腕の素材は足部分と同じものが使用されています。
そのため曲げた時のフォルムは自然で美しいです。
その代わり稼動範囲がノーマルボディよりも若干狭くなっています。
ですが腕の付け根部分の稼動範囲が広いので気にならないですね。
脇部分の球体関節が少し目立ちますが、気になるほどではありません。

画像上:関節稼動範囲図
画像下:関節接合部

 

最後にウエスト部ですが、意外と稼動範囲は狭いです。
せいぜい290度くらいでしょうか。
ぐるぐる回るノーマルボディとは比較になりません。
……と、いう話ではなく。
このボディは『いかに稼動範囲を広げるか』を追求しているわけではありません。
『いかに稼動範囲を人間に近づけるか』に心血注いで作られたボディなのです。
ですから腰も、人間と同じようにしか回らないよう制限しているのですね。

1986年の時点でこれほどのボディが作られていたとは、まさに驚きです。
現在では、PJやボークス素体の方が稼動範囲は広いかもしれません。
ですが、稼動範囲とともに見た目の美しさも考えた場合、これ以上のボディはないのではないかとすら私は思います。
バランス的に現行最高のボディだと思いますよ。
素体だけでも発売してくれないかなぁ……

あとは首さえ傾けば完璧です。
残念なことに、首関節はノーマルボディと同じつくりなんですよね。
本当に、首さえ傾げられたら文句の付けようもないのになぁ……

 

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